無効審判請求の審査実務に係わる処理原則及び案例について - 2013.08.16作成 - 遠碩專利師事務所
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無効審判請求の審査実務に係わる処理原則及び案例について - 2013.08.16作成

(2013年8月9日公布された無効審判の審査実務に係わる案例の検討及び結論に基づく)

 現行の無効審判審査基準によりますと、特許改正法の施行以前(2013年1月1日以前)に提出した無効審判請求案(以下、「法改正前無効審判請求案」と略称する)について、特許請求の範囲にある請求項の全部に対して審査及び審決を行うべきであるのは原則です。しかし、様々の態様の「法改正前無効審判請求案」に対して、その原則が適用されるのか、又その適用にはどのような判断基準に従って行うべきであるのか、いずれも問題となります。

 この実情を踏まえて、台湾知的財産局(特許庁に相当)は、前記に述べたような問題を排除するために、先月、無効審判請求における審査原則や判断基準に対して、審査官、専利師、弁護士、代理人などの知財業界実務者を集めって公聴会の開催により、実務業界の共通意見を探求しました。公聴会では、「無効審判請求」を初めて、それに伴う「訂正」、「誤訳訂正」、実用新案技術評価書の申請などに関する審査手続き、訴願や行政救済判決の課題を巡って、様々な事例や案例について、審査上の判断基準や適用処理原則を討議しました。その結論が「無効審判の審査実務に係わる案例の検討及び結論」を表題として台湾知的財産局ウエブサイトで2013年8月9日に発表されました。

 以下、当該「無効審判の審査実務に係わる案例の検討及び結論」に基づいて、無効審判に係わる審査・判断基準の要点をご説明させていただきます。説明の便宜のため、それらの無効審判実例を適用事由または判断基準によって、事例1~17に区分し、事例1~8を抜粋して説明致します。

事例1 法改正前無効審判請求案の無効理由において、特許請求の範囲における請求項の一部に対して無効審判を請求すると表明した場合は、「全体審査全体審決原則」の適用が如何になりますか?
結論: 当該対象でない請求項に対しては、無効審判の理由や証拠を補充することができますが、知的財産局は請求者に補充しよう旨の通知をしないとします。又、無効審判の理由や証拠を補充しなかったときは、「全体審査原則」に従って、「無効審判請求が不成立」と審決すべきです。

事例2 一つの無効審判請求案(N01)に伴って、権利者が一つの訂正(AN1)を提出した場合は、無効審査などが如何にしますか?
結論: 原則としては、先にAN1の訂正内容に対する審査をしてから、無効審査を行うとします。


事例3 複数の無効審判請求案(N01、N02)に伴って、権利者が複数の訂正(AN1=AN2)を提出した場合は、公費の納付、無効審査などが如何にしますか?

結論: AN1の訂正内容は、AN2の訂正内容が一致している(AN1=AN2)ときは、1回の訂正として訂正公費を計算するとします。又、事例3に同様に、先に訂正に対する審査をしてから、無効審査を行うとします。


事例6 無効審判請求案において、請求者が権利者による訂正について「実質拡大または実質変更のある」と認めた場合は、そのことを無効審判の請求事由または係争争点とすることができますか?

結論: 原則として、当該訂正が公告されるのかによって判断します。つまり、当該訂正が公告される前には、原則として、請求者が当該訂正の適否を意見表示することができますが、無効審判の請求事由または係争争点として要求することができません。


事例7 無効審判請求案に対して、請求項1が新規性なし、請求項2が進歩性なしと主張したが、審査により「請求項1が新規性なしであるが、請求項2が進歩性ありである」と審査官が認めた場合は、請求項1の進歩性について改めて職権による審査を行うことができますか?

結論: 無効審判処分の公衆信頼性を得るために、当該場合は、知的財産局の審査官が改めて請求項1の進歩性について職権による審査を行うべきです。


事例8 無効審判請求案に伴って、実用新案技術評価書を申請した場合は、適用される条項は如何ですか?

結論: 実用新案技術評価書の申請に対して適用条文が明文に規定していないが、それが申請案に該当するので、当該場合は、改正法第149条第1号の規定に適用できるとされます。

 以上のとおり、上記事例1~8をご参考までご説明いたしましたが、その他の事例9~17がご必要になりましたら送付致します。

 また、2013年8月9日に発表された「無効審判の審査実務に係わる案例の検討及び結論」の中国語書類PDF形式ファイルが、台湾知的財産局ウエブサイト(http://www.tipo.gov.tw/ct.asp?xItem=474226&ctNode=7127&mp=1)(舉發審查實務案例研討之議題及結論.pdf)からダウンロードできます。

 尚、お気づき点、ご質問となります点がございましたら、お気軽に弊所までお問い合わせください。または




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